2.民営化議論の経過

平成24年12月:「地下鉄事業民営化基本方針(素案)」、「バス事業民営化基本方針(素案)」を策定
 平成24年6月に大阪府市統合本部より示された「基本的方向性(案)」を受け、8月に民営化推進室を設置し具体的検討を進め、民営化の目的・意義、課題の具体的解決策やスケジュールをとりまとめた。

  • 地下鉄
    • 自立・持続:自らの経営責任で持続可能な交通機能を確保
    • 成長・発展:お客さまサービスの向上や戦略的な事業展開
    • 自治体財政への貢献:市からの繰入金の削減、市への納税(約50億円)・配当(約25億円)を民営化の目的として掲げ、
    • 上下一体の株式会社とし、当面、100パーセント大阪市出資の株式会社化を図る
    • 将来、株式上場が可能な企業体を目指し、完全民営化も目指す
    こととした。

  • バス
    • 市民の足として必要なバスによる輸送サービスを確保
    • 官と民の適切な役割分担の再構築
    • 持続可能な輸送サービスを維持するための仕組みを確立
    を民営化の目的として掲げ、
    • 必要な路線を維持する仕組みを確立し、民間バス事業者に運営を委ねることで持続的なコストダウンとサービス向上を図る
    こととした。


平成25年1~2月:大阪市民・お客さまアンケートを実施【回答受付数:4,618人】
「民営化基本方針(素案)」について案として取りまとめるため、多くの市民・お客さまからのご意見をいただいた。

  • 地下鉄
    • サービス向上(料金値下げ等)が期待できる ・サービス向上(料金値下げ等)が期待できる
    • 職員の意識向上が期待できる
    • 経費の削減が期待できる
    • 民営化について議論等が不十分であるなどのご意見があり、民営化に関するご意見のうち、肯定的なご意見の方が64.9パーセント、否定的なご意見の方が35.1パーセントとなっている。
  • バス
    • バス路線・サービスの維持・向上が期待できる
    • バス路線・サービスの低下を懸念する
    • 運転手等の意識の向上が期待できる
    • 公営企業として経営改善や財政支援により維持すべき
    などのご意見があり、民営化に関するご意見のうち、肯定的なご意見の方が60.2パーセント、否定的なご意見の方が39.8パーセントとなっている。


平成25年2月:「大阪市高速鉄道事業及び中量軌道事業の廃止に関する条例案」、「大阪市自動車運送事業の廃止に関する条例案」を上程
「地下鉄事業民営化基本方針(案)」、「バス事業民営化基本方針(案)」を策定

  • 地下鉄
    議会での議論や市民・お客さまからのご意見を踏まえ、「目指すべき経営理念とビジョン」「新会社に承継していくもの(安全対策やバリアフリーの担保など)」といった点について検討を深め、より具体化した内容を盛り込んだ。

  • バス
    議会での議論や市民・お客さまからのご意見を踏まえ、「民営化の基本方針」「新たな地域サービス系路線(案)」など、より具体化した内容を盛り込んだ。


平成25年3月:「大阪市高速鉄道事業及び中量軌道事業の廃止に関する条例案」、「大阪市自動車運送事業の廃止に関する条例案」

継続審査(1回目)

平成25年5月:「地下鉄事業民営化基本プラン(案)」、「バス事業民営化基本プラン(案)」策定

  • 地下鉄
    公営の意義と民営化の必要性、民営化後の安心・安全の確保や、地下鉄8号線など未着手の条例路線をはじめとする、今後の大阪市の鉄道ネットワーク整備に関する方策を盛り込んだ。

  • バス
    市民・お客さまのサービス維持に対する不安を払拭するため、必要なバス路線を確実に維持するスキームや、大阪シティバス株式会社の活用により民間バス事業者の撤退という不測の事態にも対応できる体制を整え、路線の維持を着実に確保する方策を新たに盛り込んだ。


平成25年5月:「大阪市高速鉄道事業及び中量軌道事業の廃止に関する条例案」、「大阪市自動車運送事業の廃止に関する条例案」

継続審査(2回目)

平成25年8月~9月:意見交換会を開催(7回開催、276名の参加)
 民営化について、直接、市民・お客さまと対話し、ご意見をお聴きするとともに、民営化に対してより関心を持っていただくため開催。

平成25年9月:「バス事業民営化・譲渡の考え方について(大阪運輸振興株式会社への譲渡規模の範囲)」とりまとめ
大阪シティバス株式会社へ随意譲渡する規模について、民間撤退時の対応能力を備えるため一定の事業規模を担保しつつ、同社が最も安定的な経営基盤を確保できる3営業所(守口・中津・鶴町)を基本に検討すべきという考え方を取りまとめた。

平成25年9月:「大阪市鉄道ネットワーク審議会」に関する条例案を上程・議決のうえ、同審議会を設置(平成26年8月 答申(最終とりまとめ))
大阪市における鉄道ネットワーク整備について、費用対効果や事業性の観点から検討を行い、その結果を踏まえ、大阪市域における望ましい鉄道ネットワークについて、大阪市としての考え方を明確にする。



【参考】○平成25年11月:新聞社実施の大阪府民世論調査(地下鉄民営化)
  • 読売新聞:民営化に賛成66パーセント、反対26パーセント
  • 朝日新聞:民営化に賛成55パーセント、反対24パーセント


○平成25年12月:「大阪市高速鉄道事業及び中量軌道事業の廃止に関する条例案」、「大阪市自動車運送事業の廃止に関する条例案」

継続審査(3回目)

○平成26年3月:継続審査(4回目)

○平成26年5月:継続審査(5回目)

○平成26年8月:「地下鉄民営化の論点整理と民営化後の事業展開について」とりまとめ
今後の民営化の推進をにらみ、改めて民営化の意義・目的等の論点整理や「産業競争力強化法」の適用、民営化後の事業展開の検討を行いとりまとめた。

○平成26年8月:「議会において提起されたバス事業の民営化手法に関する検討について」とりまとめ
議会から提起された、大阪シティバス株式会社への「一括譲渡」「段階的譲渡」のスキームについて、課題や解決に向けた考え方をとりまとめた。

【参考】○平成26年10月:新聞社実施の大阪府民世論調査(地下鉄民営化)
  • 読売新聞:民営化に賛成55パーセント、反対39パーセント


○平成26年11月:「バス事業民営化推進プラン(案)(大阪シティバス株式会社への一括譲渡によるスキームについて)」策定
 議会での議論を踏まえ、地下鉄との一体性や連携を確保するため、大阪シティバス株式会社へ一括譲渡するスキームとした。

○平成26年11月:「大阪市高速鉄道事業及び中量軌道事業の廃止に関する条例案」、「大阪市自動車運送事業の廃止に関する条例案」

否決(1回目)
  • 主な否決理由
    • 白紙委任となる条例案は認められない
    • 新規事業の具体的な中身が見えてこない
    • 地下鉄のデューデリジェンス内容が明らかではない
    • 現状のバス路線すら守られる保証はない
    • 大阪シティバス株式会社の資産・資本・経営体制に課題がある
    • 私鉄に拡大すると公約していた敬老パスについて、プラン(案)にうたわれていない
    • コンプライアンス体制に課題がある
    など
  • 民営化に対する意見
    • 交通事業の民営化に決して反対するものではない
    • これで民営化議論は終わりではなく、今日が新たなスタートであり、引き続き交通局と真剣に議論していく


○平成27年2月:交通局において新たな監査体制を構築

○平成27年2月:「廃止条例案の再上程にあたって」とりまとめ
 「新たな監査体制の構築」、「大阪シティバス株式会社の経営改革」、「地下街との連携」
○平成27年2月:「大阪市高速鉄道事業及び中量軌道事業の廃止に関する条例案」、「大阪市自動車運送事業の廃止に関する条例案」

再上程→否決(2回目)



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