5 バス事業の廃止にかかる対応

(1) 資産及び負債の取扱い
公営企業を終結させることに伴い、資産や負債等は以下により対応していくこととする。
  • 対外的に返済が必要な負債等
     企業債や退職金、取引先等への債務、返還が必要な補助金の返済などについては、自動車運送事業会計に属する資産(大阪シティバス株式会社に引継ぐバス停留所等を除く)を、高速鉄道事業会計への有償所管換え等により充当する。
     上記のうえでもなお、弁済に不足する資金は、高速鉄道事業会計から拠出する。
    (大阪シティバス株式会社が本市から引継ぐバス事業の運行に必要な営業所、バス車両等は、高速鉄道事業会計に有償所管換えした後、本市が設立する地下鉄新会社から大阪シティバス株式会社へ賃貸する。)
  • 市内部における借入金及び出資金
     負債等の返済に当たっては上記のとおり、自動車運送事業会計に属する資産の全てを高速鉄道事業会計への有償所管換え等により資金調達するものの、対外的な負債等の弁済にも不足する見込みであり、出資に対し配当する残余財産も残されていない状況である。
     また、市内部の借入金処理については、昭和41年からの第一次再建計画及び昭和48年からの第二次再建計画における一般会計からの借入金は高速鉄道事業会計から拠出して返済することとし、高速鉄道事業会計からの“市営バス事業の改革プラン「アクションプラン」”に基づく借入金やバス事業の民営化により公営企業を終結させるまでのつなぎ融資としての一時借入金は返済免除とする。

(2) バス事業廃止に伴う資産・負債の清算のイメージ
  • 市以外への債務は企業債69億円、補助金返還4億円、退職給付引当金75億円の合計148億円であるが、返済資金は未払金と相殺後の未収金等3億円、自動車運送事業会計の固定資産を有償所管換え等により資金化する136億円の合計139億円となり、不足する9億円は高速鉄道事業会計で負担する。
    また、一般会計からの借入金62億円は高速鉄道事業会計で負担する。
  • 各会計の負担額は、
    • 高速鉄道事業会計の負担が過去の支出分の処理として、借入金206億円、出資金296億円の計502億円に新たな資金負担が、バス資産購入134億円、市以外負債等不足分負担9億円、一般会計からの借入金62億円の計205億円となり合計707億円。
    • 一般会計の負担が過去の支出分の処理として、出資金110億円。



(3) 職員の転籍・雇用対策
基本方針
  • 大阪シティバス株式会社の目的が達成され、その業務が適切に行われるよう、大阪シティバス株式会社の方針に基づき必要な職員を引き継ぐ。
  • バス運転手及び運行管理者については、大阪シティバス株式会社への転籍を基本とし、その他職員についても、個別面談等により選択肢を提示したうえで雇用先の確保等を行う。
  • 大阪シティバス株式会社等への転籍にあたっては、職員へ労働条件等を提示したうえで、十分な説明と意向調査のもと、円滑な転籍を図る。
  • このほか、早期退職制度・配置転換などを活用した雇用対策も行う。
    なお、平成25年1月16日の団体交渉において、労働組合と民営化に向けた協議を進めていくことについて合意。
転籍・雇用対策のフロー
  • まずは、雇用対策・労働条件の概要を職員へ説明する。
  • 次に、職員へ労働条件等提示・意向調査を行う。
  • その後、個別面談を実施し、大阪シティバス株式会社、他の民間企業、市長部局等への配置転換、希望退職、のいずれを希望するかを確認する。
  • 大阪シティバス株式会社を希望する者は、大阪シティバス株式会社の採用試験を経て、採用が内定するが、不採用となった者は別途面談を行う。
  • 他の民間企業を希望する者は、面談と再就職支援を行う。

なお、転籍・雇用対策にあたっては、
  • バス事業の廃止に伴い職員は退職することとなるため、一括して退職手当を支給する。
  • 退職手当の支給率については、「整理退職等」の支給率区分を適用する。
  • 新たな早期退職制度を検討する。
  • 他の民間企業を希望する職員については、再就職のためのノウハウの提供などを通じて雇用の確保ができるよう支援する。



(4) 連絡調整会議(仮称)の設置(市(議会)と会社)
 これまでは市の一部局であることから、予算審議などを通じて議会が経営をチェックすることが可能であったが、民営化により所有と経営が分離することから、市民の意見が大阪シティバス株式会社に伝わらないのではないかという議会の懸念に対応するため、民営化後も市民の代表者である議会を通じてご意見をお聞きし、あわせて大阪シティバス株式会社の事業についても説明する会議体を設ける。
  • 問題点
     市民の意見が大阪シティバス株式会社に伝わらないのではないか
  • 対応策
     地下鉄新会社の株主として、同社を通じて子会社である大阪シティバス株式会社の役員を選任・解任するといった対応も可能であるが、「大阪シティバス株式会社の経営方針」において、
    • 市の交通政策や地下鉄とバスのネットワーク構築について、市バス事業を継承した事業者として積極的に連携・協力する
    といった点を掲げており、民営化後も市民の代表者である議会を通じてご意見をお聞きし、あわせて大阪シティバス株式会社の事業についても説明する会議体を設ける

  • 検討案(運用ルールは今後検討)

  • 名称
連絡調整会議(仮称)
  • 構成
市(議会)の代表者、大阪シティバス株式会社の経営陣
  • 想定される議題
市民・お客さまの声の内容の共有、施策の進捗状況の共有、事業運営に反映させるべき施策の意見交換

  • 参考 各機関の役割

  • 公営企業
交通局(公営企業管理者 交通局長)が事業を執行し、議会は議決により市民の意見を事業に反映させる
  • 民営化後
大阪シティバス株式会社は社会のニーズを把握して事業運営を行うが、会議体における連絡調整の結果、市長が株主権限を行使すべきと判断した場合は、地下鉄新会社を通じてその権限を行使する

  • 市立大学における事例

  • 開催時期
毎年1回不定期で開催
  • 出席者
大阪市会から都市経済委員会の委員全員、市立大学から理事長兼学長以下、副理事長、副学長、理事など、経済戦略局から局長、理事、交流推進担当部長など
  • 他項目アイコン
  • 他項目
  • 他項目アイコン
  • とじる

1つ前に戻る