列車内での放火事件発生における対応訓練


訓練想定
①走行中の列車内で、不審者による放火、並びに負傷者が発生
②ホーム上のお客さまが非常停止ボタンを押下し、駅間で列車が非常停止
③乗務員、及び駅社員による、お客さまの避難誘導を実施(乗務員室貫通扉より)
④消防・警察と協力した避難誘導、並びに消防による消火・救助活動、警察による犯人確保を実施
⑤被害者支援のため、負傷者等の情報収集を実施

1.緊急事態発生(不審者による放火事件発生)
  • 〇下り天満橋駅2番線ホーム(八尾南方面)に停車中の2号車(先頭から2両目)の車内で不審者が液体を撒き放火。

    〇車掌は気づかず閉扉し、列車が出発。

2.非常停止合図装置操作
  • 〇列車が天満橋駅を出発し、走行中の車内に煙が上がっているのを目撃したホーム上のお客さまが非常停止ボタンを押下。

3.列車が駅間で停車
  • 〇非常停止ボタンを押下し、列車はトンネル内(天満橋駅ホーム終端より約30メートル地点)で非常停止。

4.乗務員、及び駅社員が、輸送指令所へ通報
  • 【列車】
    〇輸送指令所から車掌に状況確認の通報が入る。

    〇お客さまから非常通報により、「2号車で不審者が放火し、火災が発生している」と車掌が聞き取り、輸送指令所に通報。

    【天満橋駅】
    〇ホームに駆けつけた駅社員が、非常停止ボタンを押下したお客さまから、「車内で火災が発生している」との申告を受け輸送指令所、及び駅長室に通報する。通報を受けた天満橋駅社員は消防へ119番通報を行う。

5.安全確保のため、サードレール緊急停電
  • 〇運転士は、扉の異常情報が点灯し、車外を確認すると点検通路部に横たわる人影を発見したため、サードレールを緊急停電した。輸送指令所に状況を通報し、防護盾と消火器を持って現場確認へ向かう。

    〇運転士が現場確認を行い2号車で火災を確認、初期消火を実施するが鎮火できない。
    負傷者が車外と車内に複数名いること、不審者は特定できないことを輸送指令所に通報。

6.輸送指令所より、関係先へ通報
  • 〇通報を受けた輸送指令所は、警察と消防に通報。

    〇全列車にサードレール停電の一斉通報を行う。

    〇運転士に対して、防護盾と消火器を持って2号車へ急行の指示。

    〇車掌に対して、混乱防止の車内放送を指示。

7.お客さまの避難誘導

  • 〇輸送指令所は発生状況より、次駅までの運行は困難と判断し、
    ・運転士に対して、谷町四丁目駅に避難誘導を指示。
    ・車掌に対して、天満橋駅に避難誘導を指示。
    ・駅社員に対して、不審者がいるので、防刃ベストと防護盾を装備して列車へ急行し、乗務員と避難誘導を行うことを指示。

    〇輸送指令所から指示を受けた天満橋駅社員は、他の社員へ営業停止の処置、及び防刃ベストと防護盾、避難誘導用具を携行して現場へ急行を指示。

    〇運転士は1号車(先頭車)と2号車に居合わせたお客さまに対して、先頭車両から谷町四丁目駅へ避難する旨を伝え、避難誘導を開始。

    〇車掌は防護盾を持ち、2号車から後方の6号車までのお客さまに対して、後部車両から天満橋駅へ避難する旨を伝える。

    〇車掌は車内放送により、トンネル内を歩いて避難を行う説明と混乱防止の放送を行い、到着した駅社員と協力し、避難誘導を開始。

    〇天満橋駅に駆け付けた本社社員にて、負傷者等の情報収集を実施。

8.警察による活動(不審者の確保)
  • 〇通報を受けた警察官が駆け付け、列車へ急行。

    〇車内で不審者を発見し、身柄を確保。

9.消防による活動(救助・消火)

  • 〇通報を受けた消防(救助隊・消火隊)が駆け付け、列車へ急行。

    〇救助隊は、重傷者を後部車両から車外へ搬送。

    〇消防隊は、消火活動により、火災を鎮火。

10.避難誘導完了
〇駅長室から指令へ避難誘導完了を報告。

〇運行再開に向けた安全確認を実施。

〇訓練終了

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