訓練順序

順序 訓練内容 実施内容
赤文字は、想定にない要素
(ブラインド訓練内容:訓練実施者は知らされていない)
☆斜体文字は、構内・車内放送内容。
訓 練 開 始
南巽駅発野田阪神行4両編成の列車は、上り線の新深江~今里駅間走行中に、第3次地震警報(震度5強以上)を受信し非常停止の処置を取り駅間に止まった。まもなく広域停電も発生し関西電力からの電力供給が停止され駅構内が停電となる。
1 地震発生(震度5強以上)
広域停電の発生
営業停止処置と案内
関係先への通報と被害状況の確認
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  • 広域停電の発生により、駅構内も停電となり、非常灯だけの点灯となり薄暗い状態となる

    ○ 広域停電により駅構内が暗くなった状況

    ○ 駅長室から構内のお客さまへ、地震の発生と注意喚起の放送
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  • 「お客さまにお知らせします。只今、強い揺れを感じる地震がありました。そのため、停電が発生しています。
      只今より駅職員が構内及び避難口の点検を行います。
      余震に備え頭部を覆い、低い姿勢でお待ちください。」
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  • ○ 異常時連絡体制に基づき、各関係先へ通報する
    業務連絡にて改札職員へ、お客さま・構内の状況・出入口の確認を指示する。 
2 駅構内の避難誘導
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  • 地震発生後の駅構内(ホーム)状況と避難誘導

    ○ お客さまは 構内放送を聞き、低い姿勢で頭部を覆い余震にも備える

     「お客さまにお知らせします。お客さまにお知らせします。
    先ほどの地震は、震度5以上の地震であることが判明しました。そのため、全ての地下鉄は止まっています。
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  • ただ今、駅職員が構内及び避難口の点検を行っております。
    余震に備え頭部を覆い、低い姿勢でお待ちください。駅構内の安全状況が確認できるまで、今しばらくお待ち願います」
    ○ 揺れも治まり、安全が確認された出入口(3号)方向へ避難を開始
    (頭部は、余震に備え覆った状態で行動されている状態)
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  • ○ エレベータ・エスカレーターは使用できず、駅職員の誘導で階段を上がるお客さま

    「お客さまにお知らせします。お客さまにお知らせします。
    避難口の点検の結果、西側1番・2番出入口の地上部では崩落個所が確認されました。
      ただ今から避難を開始しますので、駅職員の指示に従い中改札3号出口へ避難願います。
     尚、エレベーター・エスカレーターは使用できません。慌てず、階段を ご利用下さい。」
3 負傷者の救護
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  • 負傷されたお客さまを応急救護

    ○ 応急救護所(駅長室前)へ駅職員に付き添われるお客さま
     避難誘導開始後に、駅職員が負傷されたお客さまを駅長室前に設置した応急救護所に誘導する。
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  • ○ 地震の揺れにより、バランスを崩しエスカレータ下へ転倒し頭を打たれたお客さまを救護する駅職員・救急隊員・警察官
     地震発生後に、駅構内で負傷者の発生を通報し、救急隊・警察への出動要請を依頼しており、頭部を打たれていたため、動かさずに現地にて救護処置を行う。
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  • ○ 応急救護所で、救急隊員から手当てを受けるお客さま
     応急救護所にて、負傷者のトリアージ及び応急手当てを行う救急隊
    トリアージ

      最善の救命効果を得るために、医療従事者が多数の負傷者を重症度と緊急性によって分別し、治療の優先度を決定する。
4 駅間に緊急停車している車内
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  • 第3次地震警報(震度5強以上)を受信し非常停止の処置を取り駅間に緊急停車した車内
     (広域停電となり、電力会社からの送電は停止したが、千日前線の当該区間は、大容量蓄電池が整備されており、車内は一瞬の停電になることもなく電力が供給され続けているので、車内灯も点灯状態で明るい状態を保っている)

    駅間停止後に、車内アナウンスを聞いているお客さま

    「急停車恐れ入ります。
     只今、非常に大きな地震が発生しましたので緊急停止しました。
     列車の外は大変危険です列車の外へは絶対に出ないで下さい」
5 駅間緊急停車した列車の入駅と大きな余震の発生
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  • 駅間に緊急停車していた列車が、駅職員の現示による代用手信号の進行現示を確認し、今里駅へ入駅
     (駅構内は停電のため駅場内区間への信号出力を出す事が出来ないため駅職員が、トンネル内で代用手信号を現示する) 

    ○ 代用手信号の進行現示を確認し、15キロメートル毎時を超えない速度で入駅してくる当該列車
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  • 今里駅構内の軌道(レール)やポイント(進路の切換)部に異常のないことを駅職員が確認しているが、天井・側壁等の異常にも注意して入駅する。
     「大変長らくお待たせしました。只今、線路上の安全が確認できましたので、今里駅まで運転を再開いたします。大変長らくお待たせしました。」
    ○ 列車の到着に備え、停電で動作しない可動柵を手動操作で開けて待機する駅職員
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  • 列車が通常の停止位置で停車し車両ドアを開扉するので、最後尾車両位置で、到着する列車内のお客さまを進行方向へ誘導案内をする予定で待機する駅職員。
    大きな余震により、ホーム入駅中に緊急停車した列車
     (ホーム可動柵の設置場所へ2両(全4両編成)入った状態で停止)
    ○ 開扉してあった可動柵と車両ドアの位置が合っていない場所で停止

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  • 通常停止位置であれば、開扉してあった可動柵の位置と車両ドアの位置が合致するが、全く合わない位置に停止した。

    ○ 指令へ、緊急停止したホーム位置・状況を報告する運転士
    余震による第3次地震警報受信で、ホームの前2両入った状態で停止した旨と前方軌道上に側壁の広告枠が落下している事を指令へ報告。通常停止位置まで再進行が出来ない状況を報告。
6 余震により緊急停止した列車の位置調整
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  • 可動柵の開扉位置と車両ドア部分との位置修正
    (前方軌道上に、落下物があるため通常停止位置まで再進入することが出来ないので、先頭1両目の車両ドアと開扉してある可動柵の位置に合うように停止位置の修正)

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  • ○ 位置調整の停止位置(目標位置)を三色灯で指示する駅職員
    通常停止位置と異なるために、停止する目標が何も無いので、駅職員が目標となる位置を3色灯で明示している

    ○ 位置修正を確認し、車両ドアを開けに急ぐ駅職員
     位置修正後に、ホーム側から先頭車両ドアを開けるために車両外部の“ドアの開放コック(Aコック)”位置へ急ぐ。
7 ホーム側から手動で車両ドアの開扉
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  • 位置修正後に、先頭車両の車両ドアの開扉
    ○ 先頭車両の車両ドアを手動で開け 、避難動線を確保する駅職員
    車両ドアをホーム側から手動で開け広げる。
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  • ○ 先頭車両の二つ目の車両ドアも開け、誘導動線を多く確保する駅職員
      二つ目の車両ドアも開けて、車内のお客さまの誘導動線を多くして安全を図る。
8 車内のお客さまの避難誘導
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  • 避難誘導の先導にあたる駅職員

    ○ 車両から避難して来られたお客さまと誘導にあたる駅職員
      車内からホームへ出られたお客さまを先導し誘導する駅職員。

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  • ○ 負傷されたお客さまに付き添われるお客さまと警察官
      負傷されたお客さまを介助し避難するお客さま(共助)と誘導にあたる警察官。
9 下り線ホーム下から破裂音と共に白煙
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  • 車内からの避難誘導開始後に、反対側の下り線ホーム下から破裂音と共に白煙が上がる

    ○車内から避難誘導するお客さまの安全を確保しつつ初期消火活動を同時に行わなければならない状況の発生
    固定柵部分に残った車両の反対側のホーム下から白煙が上がり、お客さまとの安全距離を確保しつつ避難誘導を行い初期消火活動を実施。 
10 駅長室前の連携
指揮所で情報共有
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  • 駅長室前連携指揮所での三者(警察・消防・交通)の連携と情報共有

    ○ 避難の進行状況及び被害状況等を連携指揮所で情報共有している警察・機動隊、消防及び駅職員
    被害、避難状況及び負傷者数等の連携と情報共有を随時行い安全・迅速な対応を図る警察・機動隊、消防・救急隊及び駅職員
11 後部の2両は、固定
柵設置場所に停車
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  • 後部2両が固定柵設置場所に停車している状況


    ○ 固定柵の高さがあり、列車との隙間も横向きに歩ける程度で狭い。
    固定柵と車両の隙間は狭く高さもあり、後部車両へのアプローチには思案する。
     
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  • ○ 連結部の扉が少ししか開かず最後部車両から前方車両へ移動で きないので、最後尾車両で救助を待つ負傷されシートに横たわるお客さまと付き添う当局職員(当該列車に乗車していた)
12 消防隊の消火警戒態勢
機動隊のバスケット担架使用での救助
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  • 消防隊の消火警戒行動と並行し機動隊によるバスケット担架での救助


    ○ 消防隊による消火警戒態勢
    駅職員の初期消火後、白煙は少なくなったが、消火警戒態勢を継続して実施し、不測の事態に備える消防隊員。
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  • ○ バスケット担架を使用し、固定柵越しに救助し搬送する警察機動隊
    自力で避難出来ない負傷者をバスケット担架を使用して、車内から直接固定柵越しに救助する機動隊員
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13 応急救護所にて救急隊へ負傷者の引継ぎ
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  • 車内から最後の負傷者を応急救護所で救急隊へ引継ぎ

    ○ 車内からバスケット担架で、最後の負傷されたお客さまが救助搬送され、警察機動隊から救急隊へ引継ぎ。
    応急救護所へ機動隊により救助されバスケット担架で搬送されてきた最後の負傷者を救急隊へ引き継ぐ。

○ 列車内の安全確認(乗務員・駅職員による避難誘導終了後の再確認)

○ 駅構内の安全確認(駅職員による構内残留者の無い事と構内施設の再確認)

訓 練 終 了

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