5 新会社の骨格について

(1) 組織
基本的な考え方
【目指すべき組織について】
  • 公営企業の限界として、経営責任が不明確という問題意識を出発点に、経営意識が全部門、全職員に浸透するような組織構築が必要である。
  • 各部門が柔軟かつ機動的な自立的経営を志向する組織とすることで、経営管理の強化が可能となるとともに、全職員がコスト意識を持ち、同時に収益源の確保を自発的に開発する成長型の事業体となることが期待できる。
  • 地下鉄の民営化にあたっては、他の鉄道事業者がすでに保有する関連事業の育成や既存ストックの活用で収益確保に努めている状況と異なり、収益の大部分を運輸収益に依拠する事業構造である状況を考えると、自発的に収益源の開拓を追求できるような他の民鉄モデルとは異なる独自組織モデルを構築する必要がある。
  • 併せて職種・職務に応じた人事・給与体系を整備
【設計のコンセプト】
  • 民営化にあたって、各部門の権限を強化し責任を明確化できる組織に改編することにより、全職員に経営意識を浸透させる。
  • 運輸事業部門が統括的な安全管理を行うとともに、本社機能はグループ全体での経営戦略と各部門間の連結・調整機能を担うことで、輸送の安全確保と合理的経営の実現の両立を図っていく。
組織のイメージ
組織のイメージとしては、
本社機能としては、株主対応、経営管理、広報などを行う
運輸カンパニーは、安全管理、運転、駅務を行う
メンテナンスカンパニーは、電気、車両、土木、建築を行う
関連事業カンパニーは、駅ナカ、広告、不動産などを行う
事務カンパニーは、総務事務、給与計算、福利厚生などを行う
運輸カンパニーとメンテナンスカンパニーの範囲では、輸送の安全の確保を図る



(2) 要員数(見込)
  平成24年4月1日現在の5,379人から「地下鉄事業中期経営計画」に基づき効率化を実施し、鉄道事業では平成27年度以降は4,500人規模を目指すとともに、関連事業の展開による職員の活用を図る



(3) 収支見通し
収支見通し
  乗車人員の減少傾向による運輸収入の減少や民営化による租税公課の負担増を見込んでも、人件費の削減や支払利息の減少などにより黒字を確保。
  • 平成23年度決算では、営業損益316億円、経常損益167億円
  • 平成27年度(民営化1年目)では、営業損益275億円、経常損益160億円
  • 平成31年度(民営化5年目)では、営業損益254億円、経常損益173億円
  • 平成36年度(民営化10年目)では、営業損益248億円、経常損益202億円
他事業者との比較
経常利益率や有利子負債/EBITDA倍率の比較においても、他の民間鉄道事業者と比較しても遜色のない経営成績が見込まれる。
  • 経常利益率の比較(各社の率は平成23年度決算の有価証券報告書をもとに作成)
     民営化1年目11.4パーセント、民営化5年目12.9パーセント、民営化10年目15.7パーセント、阪急14.8パーセント、阪神18.6パーセント、京阪11.7パーセント、近鉄7.0パーセント、南海8.0パーセント、5私鉄平均11.0パーセント、東京メトロ 16.6パーセント
  • 有利子負債/EBITDA倍率の比較(各社の率は平成23年度決算の有価証券報告書をもとに作成)
     民営化1年目7.0倍、民営化5年目6.0倍、民営化10年目4.2倍、阪急10.8倍、阪神5.5倍、京阪11.0倍、近鉄18.4倍、南海13.8倍、5私鉄平均12.9倍、東京メトロ4.9倍


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